問題44　行政法・義務付け訴訟

正解例「B市を被告として、重大な損害を生じるおそれがあると主張し、是正命令の義務付け訴訟を起こす。」（45文字）

問題文に「① 誰を被告として」「② どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し」「③ どのような訴訟を起こす」とあるので、それぞれ書いてつなげればOK。

＜①：初出題、②・③：R3、問17、空欄エ・オ＞

まず①は、誰を被告にするか、という話ですが、行政事件訴訟法38条1項で被告適格（11条）が準用されているので、どの抗告訴訟でも、被告は同じ考え方です。

問題文にある通り、是正命令（処分）を出すのはB市長です。

11条1項にある通り、処分をした行政庁（B市長）が、公共団体（B市）に所属する場合は、公共団体が被告になるので、①は「B市を被告として」となります。

次に、②と③は、③が決まると、②も決まるので、③から考えていきます。

③は、どのような訴訟を起こすか、という話ですが、Xたちの希望は「B市長が是正命令を出すこと」で、裁判所からB市長に、是正命令を出すよう命令してほしいので、③は「是正命令の義務付け訴訟」（非申請型義務付け訴訟）となります。

問題文に「B市長に申し入れた」とあるので、XたちがB市長にした申し入れは、行政手続法36条の3に基づく処分等の求めに該当すると考えられますが、処分等の求めの申出は、申請には該当しないので、申請型義務付け訴訟ではありません。

（申出の結果、是正命令が出ても、Xたちの権利や義務は動かないから）

最後に、②は、是正命令がされないことで、どのような影響が起きるおそれがあるか、という話ですが、37条の2第1項にある通り、非申請型義務付け訴訟は、処分がされないことで重大な損害を生ずるおそれがある場合にできるので、②は「重大な損害を生じるおそれがあると主張し」となります。

【参考】行政事件訴訟法38条1項

第11条から第13条まで、第16条から第19条まで、第21条から第23条まで、第24条、第33条及び第35条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する。

【参考】行政事件訴訟法37条の2第1項

第3条第6項第1号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。