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令和2年度(行政書士試験 過去問の解説)
1【妥当でない】(最判昭47.9.7)<初出題>
「できない」が×。
「できる」にすると〇。
双務契約が、当事者の詐欺を理由に取り消された場合、当事者の両方にある原状回復義務(登記を戻す義務・代金を返す義務)は、同時履行の関係にある、という判例があります。
2【妥当でない】(最判昭29.7.22)<初出題>
「できる」が×。
「できない」にすると〇。
賃借人は、造作買取請求権があっても、賃貸人が造作代金を払ってくれないことを理由に、同時履行の抗弁権を使って、借りていた家屋の明渡しを拒否することはできない、という判例があります。
造作の例:ウォシュレット
3【妥当でない】<初出題>
「できる」が×。
「できない」にすると〇。
民法622条の2第1項第1号にある通り、賃貸人に敷金を返す義務があるのは、貸した物を返してもらった場合なので、家屋の明渡しが先、敷金の返還が後となります。
【参考】民法622条の2第1項1号
賃貸人は、敷金~を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
4【妥当でない】<初出題>
「関係に立つ」が×。
「関係にない」にすると〇。
「に先立って」も×。
「と同時に」にすると〇。
民法633条にある通り、請負の報酬は、目的物(頼まれて作った物)の引渡しと同時に支払う義務があるので、仕事の完成が先、報酬の支払いが後です。(同時履行ではない)
【参考】民法633条
報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。
5【妥当】(最判昭34.5.14)<H27、問32、肢2>
選択肢の通り。
買主は、売主から履行の提供があっても、履行の提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権は失わない、という判例があります。
たとえば、履行の提供が「売ったカメラの持参」だった場合、売主がカメラを持って買主の家に言ったら買主が不在で、翌日に売主がカメラを持たずに買主の家に行った場合、買主は同時履行の抗弁権を使えます。
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