問題32　民法・連帯債務　正解「3」

１【妥当】＜H20、問題33、肢オ＞

選択肢の通り。

Ａの連帯債務が錯誤を理由に取り消されても、Ｂには何の影響もありません。（相対効）

※ 法改正で、選択肢の「要素の錯誤」⇒「法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要な錯誤」に、「無効」⇒「取消し」に変更

【参考】民法437条　※令和2年の改正条文

連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。

２【妥当】＜初出題＞

選択肢の通り。

更改（契約内容の変更）があったら、更改前の債務は消滅するので、Ｂの連帯債務も消滅します。（絶対効）

【参考】民法438条　※令和2年の改正条文

連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。

３【妥当でない】＜初出題＞

「ことはできない」が×。

「ことができる」にすると○。

弁済の猶予は、時効が更新される「承認」に含まれますが、承認は「相対効」なので、Ｂの時効は更新されないため、時効期間が満了になったら、Ｂは、時効を援用できます。

【参考】民法441条　※令和2年の改正条文　※承認は152条　

第438条、第439条第1項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

４【妥当】＜初出題＞

選択肢の通り。

Ａが、Ｂに共同の免責を得る（例：弁済する）ことを通知しないで、借金を全額Ｃに返済した後で、Ｂに半額の500万円を求償した場合、Ｂは、Ｃに対して対抗事由（例：相殺できる債権）があれば、Ａの求償を拒否できます。（民法443条1項　※令和2年の改正条文）

※ 法改正で、選択肢の「その旨」⇒「共同の免責を得ること」に変更

５【妥当】＜初出題＞

選択肢の通り。

Ａが、Ｂに黙って借金を全額Ｃに返済したけれど、それを知らないＢが、返済することを事前にＡに通知して、Ｃに返済した場合、事前に通知をしたＢが保護されるので、Ｂは、Ａの求償を拒否できるし、逆に、Ｂが、Ａに対して求償できます。（民法443条2項　※令和2年の改正条文）