問題14　行政法・審査請求に対する裁決　正解「5」

1【誤】

「理由が附されていなくても、裁決が違法となることはない」が×。

「理由が附されていなければ、裁決は違法となる」にすると○。

理由を附すのは、裁決の義務です。義務を果たさなければ、当然違法です。

【参考】行政不服審査法50条1項4号

裁決は、次に掲げる事項を記載し、審査庁が記名押印した裁決書によりしなければならない。

四　理由（1号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。）

2【誤】

「不当を理由として取り消すことはできない」が×。

「不当を理由として取り消すこともできる」にすると○。

「違法」「不当」どちらを理由にしても取り消せます。

【参考】行政不服審査法第1条1項

この法律は、行政庁の違法又は不当な処分～（省略） 

3【誤】

「緊急を要する場合は、口頭ですることも許される」が×。

常に文書です。

行政不服審査法のどこにもこんなことは書いてありません。

4【誤】

「取消訴訟を提起することはできない」が×。

「取消訴訟を提起することはできる」にすると○。

もちろん、納得できなければ裁判できます。

【参考】行政事件訴訟法3条3項

３ この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て（以下単に「審査請求」という。）に対する行政庁の裁決、決定その他の行為（以下単に「裁決」という。）の取消しを求める訴訟をいう。 

5【正】

選択肢の通り。

不服申立てをしたら、状況が悪化したということにはなりません。

法律でそうならないよう決められています。

【参考】行政不服審査法48条

46条1項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、若しくはこれを変更することはできない。