問題44　行政法・行政事件訴訟

正解「Ｙ県を被告として、拒否処分の取消訴訟と設置許可の義務付け訴訟とを併合して提起する。」（41字）

問題文の最後「Ｘは、誰を被告として、いかなる種類の訴訟を提起すべきか」が正解の形。

「誰を」「いかなる種類の訴訟」を探していきます。

まず、Ｘは何を求めているかというと「施設の設置を可能にすること」です。

となると、裁判所には「設置許可を出すよう義務付けてもらう」必要があります。

それを実現するための訴訟は「義務付けの訴え」です。

また、Ｙ県知事（行政庁）が拒否処分をしたので、知事の所属する「Ｙ県」を被告とします。

最後に、拒否処分を取り消してもらう必要があるので「取消訴訟」を併合して完了です。

【参考】行政事件訴訟法

3条6項2号　この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。 

二　行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。

11条1項1号　処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。 

一　処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体 

37条の3第1項2号　3条6項2号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときに限り、提起することができる。 

二　当該法令に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在であること。 

37条の3第3項2号 1項の義務付けの訴えを提起するときは、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める訴えをその義務付けの訴えに併合して提起しなければならない。 

二　1項2号に掲げる要件に該当する場合

⇒　同号に規定する処分又は裁決に係る取消訴訟又は無効等確認の訴え 

38条1項　11条から13条まで～の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する。