問題33　民法・契約の成否　正解「3」

ア【答えるべきでない】

「撤回すれば～なる」が×。

「撤回しても～ならない」にすると○。

Aは「8月末日まで」と承諾の期間を定めて申し込んだので、原則として、撤回できません。

問題文に「Aは撤回する権利を留保した」（例：承諾期間の間に撤回する可能性があることをAがBに伝えた）とは書いてないので、例外には該当しません。

【参考】民法523条1項　※令和2年の改正条文

承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。

イ【答えるべき】

選択肢の通り。

「8月末日まで」の承諾が「9月1日」にされたので、遅延した承諾です。

申込者（A）は、遅延した承諾を、Bからの新しい申し込みとみなすことができます。

【参考】民法524条 ※ 令和2年の改正条文

申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。

ウ【答えるべきでない】

「成立した」が×。

「成立していない」にすると○。

申込者（A）が、期間内に承諾の通知を受けなかったら、申込みの効力はなくなるので、契約は成立していません。

【参考】民法523条2項　※令和2年の改正条文

２ 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。

エ【答えるべきでない】

「Bが売る～申し入れていたのですが」が×。

「新しい契約が申込まれたとみなせるでしょうか」にすると○。

Bが条件を変えて承諾した場合は、申込みを拒絶して、新しい申込みをしたとみなされます。

【参考】民法528条

承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。

オ【答えるべき】（最判昭43．12．17）

選択肢の通り。

「到達」は、相手方が直接受け取る必要はなく、通知が相手方の手元に届けばいい、という判例があるので、Aが、Bの承諾の通知に気がついたのは9月20日ですが、通知は8月28日（期間内）にAの手元に届いているので、契約は成立しています。

【参考】民法97条1項　※令和2年の改正条文

意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。