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最判平11.11.30

不動産の買戻し特約と抵当権に基づく物上代位権

<判事事項>(争点)

買戻し特約がある売買契約の不動産に設定された抵当権は、買戻し代金(債権)に対して物上代位権を使うことができるのか、できないのか。

【参考】判事事項(原文)
 買戻特約付売買の目的不動産に設定された抵当権に基づく買戻代金債権に対する物上代位権行使の可否

<裁判要旨>(結論)

買戻し特約がある売買契約の買主から、その不動産について抵当権の設定を受けた人(抵当権者)は、抵当権に基づく物上代位権を使って、買戻権を使って買主が受け取った買戻し代金(債権)を差し押さえることができる。

【参考】裁判要旨(原文)
 買戻特約付売買の買主から目的不動産につき抵当権の設定を受けた者は、抵当権に基づく物上代位権の行使として、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権を差し押さえることができる。

<判決理由>(理由)

買戻し代金は、実質的には買戻権を使って不動産の所有権を取り戻すことの対価と見ることができるので、不動産の価値が変形した物として、民法372条で準用される304条の「目的物の売却又は滅失によって債務者が受けるべき金銭」に該当するから。

【参考】判決理由(原文) 
 買戻代金は、実質的には買戻権の行使による目的不動産の所有権の復帰についての対価と見ることができ、目的不動産の価値変形物として、民法372条により準用される304条にいう目的物の売却又は滅失によって債務者が受けるべき金銭に当たるといって差し支えないからである。

<過去問の出題履歴>

平成30年度、問題30、選択肢3

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

「最判平11.11.30」の裁判例情報

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