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最判平24.2.9

公立高等学校の教職員と国歌斉唱

<判事事項>(争点)

公立高校の先生が、卒業式の国歌斉唱の際に、起立斉唱するという職務命令の違反を理由とする懲戒処分の差止めを求める訴えについて、行政事件訴訟法37条の4第1項の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められた事例。

【参考】判事事項(原文)
 2 公立高等学校等の教職員が卒業式等の式典における国歌斉唱時の起立斉唱等に係る職務命令の違反を理由とする懲戒処分の差止めを求める訴えについて行政事件訴訟法37条の4第1項所定の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められた事例

<裁判要旨>(結論)

公立高校の先生が、卒業式の国歌斉唱の際に、国旗に向かって起立して斉唱すること、又はピアノ伴奏することを命じる校長の職務命令の違反を理由とする懲戒処分の差止めを求める訴えについて、次の(1)、(2)の事情の下では、行政事件訴訟法37条の4第1項の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められる。

(1) その地方公共団体では、教育委員会が、各校長に対して、職務命令を出す必要性があることを示した通達を踏まえて、多くの公立高校の先生が、毎年度2回以上の式典の際に、職務命令を受けている。

(2) 職務命令に従わない先生については、過去の懲戒処分の対象と同じ行為を再び行った場合には、処分を重くするという方針で、違反1回目は戒告、2、3回目は減給、4回目以降は停職というように、懲戒処分が反復継続的、累積加重的(繰り返し続いて、次第に重くなる)にされる危険がある。

【参考】裁判要旨(原文)
 2 公立高等学校等の教職員が卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又はピアノ伴奏をすることを命ずる旨の校長の職務命令の違反を理由とする懲戒処分の差止めを求める訴えについて,次の(1),(2)など判示の事情の下では,行政事件訴訟法37条の4第1項所定の「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められる。

(1) 当該地方公共団体では,教育委員会が各校長に対し上記職務命令の発出の必要性を基礎付ける事項等を示達した通達を踏まえ,多数の公立高等学校等の教職員が,毎年度2回以上の各式典に際し,上記職務命令を受けている。

(2) 上記職務命令に従わない教職員については,過去の懲戒処分の対象と同様の非違行為を再び行った場合には処分を加重するという方針の下に,おおむね,その違反が1回目は戒告,2,3回目は減給,4回目以降は停職という処分量定に従い,懲戒処分が反復継続的・累積加重的にされる危険がある。

<判決理由>(理由)

本件通達を踏まえて、懲戒処分が反復継続的・累積加重的にされる危険がある状況では、取消訴訟の判決が確定するまでの間に、毎年度2回以上の式典の際に、懲戒処分が反復継続的・累積加重的にされていくと、処分の後で損害の回復が著しく困難になることを考慮すると、通達を踏まえた職務命令の違反を理由として、繰り返し懲戒処分がされることで起きる損害は、処分の後に取消訴訟を提起して執行停止の決定を受ければ簡単に解決できるものとはいえず、処分の前に差止めを命じる方法でなければ解決が困難ということができ、その回復の困難の程度を考慮して、今回の差止めの訴えについては「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められるから。

【参考】判決理由(原文) 
 本件通達を踏まえて懲戒処分が反復継続的かつ累積加重的にされる危険が現に存在する状況の下では,事案の性質等のために取消訴訟等の判決確定に至るまでに相応の期間を要している間に,毎年度2回以上の各式典を契機として上記のように懲戒処分が反復継続的かつ累積加重的にされていくと事後的な損害の回復が著しく困難になることを考慮すると,本件通達を踏まえた本件職務命令の違反を理由として一連の累次の懲戒処分がされることにより生ずる損害は,処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができるものであるとはいえず,処分がされる前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けることが困難なものであるということができ,その回復の困難の程度等に鑑み,本件差止めの訴えについては上記「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められるというべきである。

<+α>

職務命令(国歌斉唱時の起立)も、都立学校の儀式的行事(卒業式)での教育に携わる公務員としての行動に関する校長(上司)の指示で、教師個人の身分や勤務条件に関する権利・義務に直接影響を与えるものではないから、抗告訴訟の対象になる行政処分には該当しない。

【参考】+α(原文) 
 本件職務命令も,教科とともに教育課程を構成する特別活動である都立学校の儀式的行事における教育公務員としての職務の遂行の在り方に関する校長の上司としての職務上の指示を内容とするものであって,教職員個人の身分や勤務条件に係る権利義務に直接影響を及ぼすものではないから,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないと解される。

<過去問の出題履歴>

令和元年度、問題26、選択肢ウ

平成24年度、問題42

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

「最判平24.2.9」の裁判例情報

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