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最判平19.7.6
納税者が、平成12年分の所得税の確定申告で、ストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことに、国税通則法65条4項の「正当な理由」があるとされた事例。
【参考】判事事項(原文)
納税者が平成12年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことにつき,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとされた事例
納税者が、平成12年分の所得税の確定申告で、ストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したら、それが給与所得に該当するとして、所得税を増額する更正処分がされた場合に、次の(1)~(3)の事情の下では、納税者がストックオプションの権利行使益を給与所得ではなく一時所得として申告したことについて、国税通則法65条4項の「正当な理由」がある。
(1)外国法人の親会社から、日本法人の子会社の従業員に与えられたストックオプションの税金の取扱いに関しては、法令上特別の定めはなく、課税庁(国税庁など)は、昔は一時所得として取り扱い、国税局の職員が監修をした書籍にもその見解が書いてあった。
(2)課税庁では、平成10年分の所得税の確定申告以降、ストックオプションの課税上の取扱いを変更して、給与所得として取り扱うようになったけれど、変更した時点では通達で知らせることなく、平成14年6月の所得税基本通達の改正で初めて変更後の取扱いを通達に明記した。
(3)ストックオプションの権利行使益はどの所得に該当するかという解釈については、一時所得に該当するという見解にもそれなりの根拠があった。
【参考】裁判要旨(原文)
納税者が平成12年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ,同権利行使益が給与所得に当たるとして増額更正がされた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,納税者が同権利行使益を一時所得として申告し,同権利行使益が給与所得に当たるものとしては税額の計算の基礎とされていなかったことについて,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がある。
(1) 外国法人である親会社から日本法人である子会社の従業員等に付与されたストックオプションに係る課税上の取扱いに関しては,法令上特別の定めが置かれていないところ,課税庁においては,かつて,上記ストックオプションの権利行使益を一時所得として取り扱い,課税庁の職員が監修等をした公刊物でもその旨の見解が述べられていた。
(2) 課税庁においては,平成10年分の所得税の確定申告の時期以降,上記の課税上の取扱いを変更し,給与所得として統一的に取り扱うようになったが,その変更をした時点では通達によりこれを明示することなく,平成14年6月の所得税基本通達の改正によって初めて変更後の取扱いを通達に明記した。
(3) 上記ストックオプションの権利行使益の所得区分に関する所得税法の解釈問題については,一時所得とする見解にも相応の論拠があった。
上告人が、ストックオプションの権利行使益を給与所得ではなく一時所得として申告したことについて、上告人の責任ではないという客観的な事情があり、過少申告加算税の趣旨を考えても、上告人に過少申告加算税を支払わせることは不当で酷になるから、国税通則法65条4項の「正当な理由」がある。
【参考】判決理由(原文)
上告人が本件権利行使益を一時所得として申告し,本件権利行使益が給与所得に当たるものとしては税額の計算の基礎とされていなかったことについて,真に上告人の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお上告人に過少申告加算税を賦課することは不当又は酷になるというのが相当であるから,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるものというべきである。
平成24年度、問題8、選択肢4
「最判平19.7.6」の裁判例情報
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