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最判平18.11.2
都知事が行った都市計画の変更で、鉄道の構造に高架式(地面より高い位置に線路を設ける)を採用した点に、裁量権の範囲の逸脱又は濫用はないので適法、とされた事例。
【参考】判事事項(原文)
都知事が行った都市高速鉄道に係る都市計画の変更が鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例
都知事が、都市計画の変更で、鉄道の構造に高架式を採用した場合に、(1)都知事が、調査結果を踏まえて、3つの方式を比較検討した結果、高架式が優れていると評価して、周辺地域の環境に与える影響についても問題ないと判断した、(2)(1)の判断は、環境影響評価書の内容を十分考慮して、環境の保護・安全についても適切な配慮をして、公害防止計画にも適合するもので、鉄道の騒音に対しても考慮していた、(3)3つの方式の比較検討で、取得済みの土地の取得費を考慮しないで事業費を計算したことは合理性がある、といった事情の下では、都市計画の変更に裁量権の範囲の逸脱又は濫用はないので適法。
【参考】裁判要旨(原文)
都知事が都市高速鉄道に係る都市計画の変更を行うに際し鉄道の構造として高架式を採用した場合において,(1)都知事が,建設省の定めた連続立体交差事業調査要綱に基づく調査の結果を踏まえ,上記鉄道の構造について,高架式,高架式と地下式の併用,地下式の3つの方式を想定して事業費等の比較検討をした結果,高架式が優れていると評価し,周辺地域の環境に与える影響の点でも特段問題がないと判断したものであること,(2)上記の判断が,東京都環境影響評価条例(昭和55年東京都条例第96号。平成10年東京都条例第107号による改正前のもの)23条所定の環境影響評価書の内容に十分配慮し,環境の保全について適切な配慮をしたものであり,公害対策基本法19条に基づく公害防止計画にも適合するものであって,鉄道騒音に対して十分な考慮を欠くものであったとはいえないこと,(3)上記の比較検討において,取得済みの用地の取得費等を考慮せずに事業費を算定したことは,今後必要となる支出額を予測するものとして合理性を有するものであることなど判示の事情の下では,上記の都市計画の変更が鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるということはできない。
平成5年決定(高架式への都市計画の変更)は、事業に伴う騒音で周辺住民に大きな健康被害などが発生することを防止する観点から、環境影響評価書の内容にも十分配慮して、環境の保護・安全について適切な配慮をして、公害防止計画にも適合するもので、鉄道の騒音に対して十分な考慮をしていた。したがって、この点について、平成5年決定が考慮すべき事情を考慮しないでされたということはできず、その判断内容に明らかに合理性を欠く点があるということもできないから。
【参考】判決理由(原文)
平成5年決定は,本件区間の連続立体交差化事業に伴う騒音等によって事業地の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境に係る著しい被害が発生することの防止を図るという観点から,本件評価書の内容にも十分配慮し,環境の保全について適切な配慮をしたものであり,公害防止計画にも適合するものであって,都市計画法等の要請に反するものではなく,鉄道騒音に対して十分な考慮を欠くものであったということもできない。したがって,この点について,平成5年決定が考慮すべき事情を考慮せずにされたものということはできず,また,その判断内容に明らかに合理性を欠く点があるということもできない。
裁判所が、都市計画の決定・都市計画の変更内容が適切か、適切でないかを審査する際は、その決定・変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基になった重要な事実に誤認があって重要な事実の基がない場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠く場合、判断の過程で考慮すべき事情を考慮しないことで、その内容が一般的な常識に照らして著しく妥当性を欠くと認められる場合に限り、裁量権の範囲の逸脱・濫用があったとして違法となる。
【参考】判決理由(原文)
裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては,当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として,その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となる
平成21年度、問題8、選択肢3
「最判平18.11.2」の裁判例情報
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