行政書士試験専門の個別指導(通学・通信)。オリジナル教材の通信販売。
受付時間:11:00~20:00(平日)
055-215-2059
最判平17.12.8
拘置所に勾留中の人が、脳こうそくを発症して重大な後遺症が残った場合に、速やかに外部の病院へ転送されていたら重大な後遺症が残らなかった可能性が高いことが証明されたとはいえないとして、国家賠償責任が認められなかった事例。
【参考】判事事項(原文)
拘置所に勾留中の者が脳こうそくを発症し重大な後遺症が残った場合について速やかに外部の医療機関へ転送されていたならば重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性の存在が証明されたとはいえないとして国家賠償責任が認められなかった事例
拘置所に勾留中の人が、脳こうそくを発症して重大な後遺症が残った場合に、第1回のCT撮影で脳こうそくと判断された時点では、血栓溶解療法をするメリットがなかったこと、それより前の時点では血栓溶解療法をするメリットがあった可能性はあるけれど、その間に、その人を外部の病院に転送して、血栓溶解療法を開始することが可能ではなかったこと、拘置所で、その人の症状に対応した治療が行われて、その他に、その人を速やかに外部の医療機関に転送したとしても、後遺症が軽減されたとは認められないという事情の下では、その人が、速やかに外部の病院へ転送され、転送先の病院で医療行為を受けていたなら、重大な後遺症が残らなかった可能性が高いことが証明されたとはいえず、拘置所の職員(医師)の転送義務違反を理由とする国家賠償責任は認められない。
【参考】裁判要旨(原文)
拘置所に勾留中の者が脳こうそくを発症し重大な後遺症が残った場合について,第1回のCT撮影が行われて脳こうそくと判断された時点では血栓溶解療法の適応がなかったこと,それより前の時点では適応があった可能性があるが,その適応があった間に,同人を外部の医療機関に転送して,血栓溶解療法を開始することが可能であったとは認め難いこと,拘置所において,同人の症状に対応した治療が行われており,そのほかに,同人を速やかに外部の医療機関に転送したとしても,その後遺症の程度が軽減されたというべき事情は認められないことなど判示の事情の下においては,同人が,速やかに外部の医療機関へ転送され,転送先の医療機関において医療行為を受けていたならば,重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性の存在が証明されたとはいえず,拘置所の職員である医師の転送義務違反を理由とする国家賠償責任は認められない。
上告人(拘置所に勾留中の人)に重大な後遺症が残らなかった可能性が高いことが証明されたとはいえない以上、東京拘置所の職員(医師)が、上告人を外部の病院に転送すべき義務を怠ったことを理由とする国家賠償責任には、理由がないから。
【参考】判決理由(原文)
上告人に重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性の存在が証明されたということができない以上,東京拘置所の職員である医師が上告人を外部の医療機関に転送すべき義務を怠ったことを理由とする国家賠償請求は,理由がない。
勾留されている患者の診療を担当した拘置所の職員(医師)が、過失により患者を適時(適切なタイミング)で外部の適切な病院へ転送する義務を怠った場合に、適時に適切な病院への転送が行われて、その病院で適切な医療行為を受けていたら、患者に重大な後遺症が残らなかった可能性が高いことが証明される場合、国は、患者がその可能性を侵害されたことによって被った損害について国家賠償責任を負う。
※ 拘置所の職員(医師)がした医療行為は、公権力の行使に該当する
【参考】判決理由(原文)
勾留されている患者の診療に当たった拘置所の職員である医師が,過失により患者を適時に外部の適切な医療機関へ転送すべき義務を怠った場合において,適時に適切な医療機関への転送が行われ,同病院において適切な医療行為を受けていたならば,患者に重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性の存在が証明されるときは,国は,患者が上記可能性を侵害されたことによって被った損害について国家賠償責任を負うものと解するのが相当である
平成20年度、問題20、選択肢5
「最判平17.12.8」の裁判例情報
行政書士試験に合格するために何をどう勉強すればいいのか迷っている方
今の勉強を続けても行政書士試験に合格できる気がしない方
行政書士試験に合格するためには基礎から学び直す必要があると考えている方
行政書士試験の記述式の解答用紙を埋められない方
独立に向けて行政書士試験に合格したいけれど、足踏みが続いている方
初めて法律を勉強するので何から手をつければいいのか判断がつかない方
ステップアップファーストは、行政書士試験に合格するために、受講者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの試験対策を行う「個別指導」にこだわった行政書士試験対策専門スクールとして、10年間で多数の合格者を送り出してきました。
行政書士の資格取得を考えている方が、安心して行政書士通学講座を受講いただけるように、個別の受講相談(無料)を随時実施しています。
受講前に疑問に思っていること、不安や悩みなど、何でもお気軽にご相談ください。
行政書士試験対策の専門家が、あなたの疑問、不安や悩みを解消いたします。
詳しくは「個別受講相談(行政書士通学講座)」をご覧ください
駐車場は、建物の隣にあります。
右側が時間貸、左側が月極で、左側の月極の「7番」が当スクールの駐車場です。