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最判昭54.7.10

都道府県の警察官と国の賠償責任

<判事事項>(争点)

都道府県警察の警察官が、交通犯罪の捜査で誰かに損害を与えた場合、国に賠償責任はあるのか、ないのか。

【参考】判事事項(原文)
 都道府県警察の警察官がいわゆる交通犯罪の捜査を行うについて違法に他人に加えた損害と国の国家賠償法1条1項による賠償責任の有無

<裁判要旨>(結論)

都道府県の警察官が、交通犯罪の捜査で誰かに損害を与えた場合、原則として、国に賠償責任はない。(例外あり)

【参考】裁判要旨(原文)
 都道府県警察の警察官がいわゆる交通犯罪の捜査を行うにつき違法に他人に加えた損害については、国は、原則として、国家賠償法1条1項による賠償責任を負わない。

<判決理由>(理由)

警察法と地方自治法は、都道府県に都道府県警察を置いて、警察の管理・運営は都道府県の事務と定めているから、都道府県警察の警察官が、交通犯罪の捜査をすることは、検察官がする犯罪捜査のサポートのような例外的な場合を除いて、都道府県の公権力の行使だから。

【参考】判決理由(原文)
 警察法及び地方自治法は、都道府県に都道府県警察を置き、警察の管理及び運営に関することを都道府県の処理すべき事務と定めているものと解されるから、都道府県警察の警察官が警察の責務の範囲に属する交通犯罪の捜査を行うことは、検察官が自ら行う犯罪の捜査の補助に係るものであるときのような例外的な場合を除いて、当該都道府県の公権力の行使にほかならないものとみるべきであるからである。

<過去問の出題履歴>

平成27年度、問題19、選択肢5

平成23年度、問題20、選択肢イ

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

「最判昭54.7.10」の裁判例情報

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