問題36　商法・商行為　正解「5」

1【正しい】＜R1、問36＞

選択肢の通り。

商法504条にある通り、商行為の代理人が「〇〇さんの代理人です」と示さないで商行為をしても、有効な代理行為となります。（民法と違って、顕名はいりません）

例外として、相手方が善意だった場合、相手方は、代理人に対して履行を請求できます。

2【正しい】＜初出題＞

選択肢の通り。

商法505条にある通り、たとえば、Aさん（受任者）が、Bさん（本人）に頼まれて株の売買をする場合に、頼まれたのは「X社の株を100株売ってくれ」だけど、X社の株が暴落した場合、損失を抑えるために、Bさんが持っているX社の株をすべて売ることができます。

3【正しい】＜H25、問36、空欄イ＞

選択肢の通り。

商法508条1項にある通り、離れた所にいる商人の間で、承諾の期間を決めないで申込みを受けた商人が、相当の期間内に承諾の通知をしなかった場合、申込みの効力はなくなるので、契約は成立しません。

4【正しい】＜H25、問36、空欄ウ＞

選択肢の通り。

商法509条1項・2項にある通り、たとえば、Aさん（商人：コーヒー豆の業者）が、Bさん（取引先：喫茶店を経営）からコーヒー豆の注文を受けた場合、遅滞なく、返事をする義務がありますが、Aさんが返事をしなかった場合、注文を承諾したとみなされます。

5【誤り】＜初出題＞

「申込みを受けた商人」が×。

「申込者」にすると〇。

商法510条にある通り、商人が、自分の商売に関する契約の申込みを受けた場合に、申込みと一緒に受け取った物品（例：サンプル、試供品）がある場合、申込みを断った場合でも、原則として、申込者の費用で受け取った物品を保管する義務があります。

例：Aさん（商人：コーヒー豆の業者）が、C社（コーヒー豆の生産者）から「うちのコーヒー豆もおたくの店で取り扱ってくれませんか」と契約の申込みを受けて、一緒にコーヒー豆のサンプルを受け取っていた場合、Aさんは、申込みを断った場合でも、原則として、C社の費用でサンプルを保管する義務がある。

【参考】商法510条

商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において、その申込みとともに受け取った物品があるときは、その申込みを拒絶したときであっても、申込者の費用をもってその物品を保管しなければならない。ただし、その物品の価額がその費用を償うのに足りないとき、又は商人がその保管によって損害を受けるときは、この限りでない。