最判昭50.4.25

第三者から明渡しを求められた賃借人の賃料支払拒絶権

<判事事項>(争点)

借りている物(賃借物)について、第三者から明渡しを求められた賃借人は、賃料の支払いを拒絶する権利があるのか、ないのか。

【参考】判事事項(原文)
 賃借物につき第三者から明渡を求められた賃借人の賃料支払拒絶権

<裁判要旨>(結論)

土地や建物を借りている人(賃借人)は、借りている物(賃借物)に対する権利(例:所有権)に基づいて、自分に対して明渡しを請求できる第三者(例:本当の所有者)から、土地や建物の明渡しを求められた場合、それ以降、賃料の支払いを拒絶できる。

【参考】裁判要旨(原文)
 土地又は建物の賃借人は、賃借物に対する権利に基づき自己に対して明渡を請求することができる第三者からその明渡を求められた場合には、それ以後、賃料の支払を拒絶することができる。

<判決理由>(理由)

所有権や賃貸借の権限がない人から不動産を借りた人は、その不動産について権利を持っている人(例:所有者)から、不動産の明渡しを求められた場合、借りている不動産を使う権原(根拠)を主張できなくなるおそれがあることを理由に、民法559条で準用する576条を使って、明渡し請求を受けた以降は、賃貸人(権限がない人)に対して、賃料の支払いを拒絶できる。

【参考】判決理由(原文) 
 所有権ないし賃貸権限を有しない者から不動産を貸借した者は、その不動産につき権利を有する者から右権利を主張され不動産の明渡を求められた場合には、貸借不動産を使用収益する権原を主張することができなくなるおそれが生じたものとして、民法559条で準用する同法576条により、右明渡請求を受けた以後は、賃貸人に対する賃料の支払を拒絶することができるものと解するのが相当である。

<過去問の出題履歴>

令和元年度、問題32、選択肢オ

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

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