最判平21.12.17

安全認定と建築確認

<判事事項>(争点)

条例に基づく安全認定が行われた上で建築確認がされている場合に、建築確認の取消訴訟で、安全認定の違法を主張できるのか、主張できないのか。

【参考】判事事項(原文)
 東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)4条3項に基づく安全認定が行われた上で建築確認がされている場合に,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することの可否 

<裁判要旨>(結論)

条例の接道要件を満たしていない建物について、安全認定が行われた上で建築確認がされている場合、安全認定が取り消されていなくても、建築確認の取消訴訟で、安全認定が違法だから条例違反があると主張できる。

【参考】裁判要旨(原文)
 東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)4条1項所定の接道要件を満たしていない建築物について,同条3項に基づく安全認定(建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める処分。これがあれば同条1項は適用しないとされている。)が行われた上で建築確認がされている場合,安全認定が取り消されていなくても,建築確認の取消訴訟において,安全認定が違法であるために同条1項違反があると主張することは許される。 

<判決理由>(理由)

安全認定は、申請者以外の人に通知することはなく、建築確認があるまで工事が行われることもないから、安全認定を争おうとする周辺住民などが、安全認定の存在を知ることができるとは限らない(これに対して、建築確認は、建築確認があった旨の表示を工事現場にする義務が、工事の施工者にある)。そうすると、安全認定が適法か不適法かを争うための手続的な保障が、十分に与えられていないから。

【参考】判決理由(原文) 
 安全認定があっても,これを申請者以外の者に通知することは予定されておらず,建築確認があるまでは工事が行われることもないから,周辺住民等これを争おうとする者がその存在を速やかに知ることができるとは限らない(これに対し,建築確認については,工事の施工者は,法89条1項に従い建築確認があった旨の表示を工事現場にしなければならない。)。そうすると,安全認定について,その適否を争うための手続的保障がこれを争おうとする者に十分に与えられているというのは困難である。

<過去問の出題履歴>

令和5年度、問題8、選択肢ウ

平成30年度、問題25、選択肢5

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

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