最判昭40.4.28

免職処分の取消訴訟と訴えの利益

<判事事項>(争点)

免職された公務員(郵便局の職員)が、免職処分の取消訴訟をしている途中で公職(市議会議員)の候補者として立候補した場合に、訴えの利益は認められるのか、認められないのか。

【参考】判事事項(原文)
 二 免職された公務員が免職処分の取消訴訟係属中に公職の候補者として届出をした場合と行政事件訴訟法第9条のもとにおける当該訴の利益。

<裁判要旨>(結論)

免職された公務員(郵便局の職員)が、免職処分の取消訴訟をしている途中で公職(市議会議員)の候補者として立候補したので、法律上公務員(郵便局の職員)を辞めたとみなされる場合でも、訴えの利益は認められる。

【参考】裁判要旨(原文)
 二 免職された公務員が、免職処分の取消訴訟係属中に公職の候補者として届出をしたため、法律上その職を辞したしたものとみなされるにいたつた場合においても、行政事件訴訟法第9条のもとでは、当該訴の利益を認めるのが相当である。

<判決理由>(理由)

公務員の免職処分は、処分が取り消されない限り有効で、免職処分を受けた公務員は、違法な免職処分がなければ公務員として持っているはずだった給料請求権などの権利・利益について裁判所に救済を求めることができなくなるから。

【参考】判決理由(原文)
 公務員免職の行政処分は、それが取り消されない限り、免職処分の効力を保有し、当該公務員は、違法な免職処分さえなければ公務員として有するはずであつた給料請求権その他の権利、利益につき裁判所に救済を求めることができなくなるのであるから(後略)

<過去問の出題履歴>

令和6年度、問題17、選択肢1

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

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