平成21年度(行政書士試験 過去問の解説)

問題34 民法・不法行為の成立 正解「2」

1【妥当でない】

「負う」が×。

「負わない」にすると○。

不法行為責任を負うのは「加害者本人」(自転車を盗んだ人)なので、盗まれた自転車の所有者は、不法行為責任を負いません。

 

2【妥当】(最判平18.2.24)

選択肢の通り。

未成年者はもうすぐ成人するため、親権者が未成年者に及ぼせる影響力は限定的なもので、親権者は未成年者が強盗傷人事件(不法行為)を犯すことを予測できる事情がない場合、親権者に監督義務違反はない、という判例があるので、親権者は、被害者に対して不法行為責任を負いません。

 

3【妥当でない】(最判昭46.6.22)

「負わない」が×。

「負う」にすると○。

飲食店の店員が、車で出前に行く途中で、他の車の運転手と口論になって、その後で手を出して相手にケガをさせた場合、「事業の執行について加えた損害」に該当する、という判例があるので、店員の使用者(雇い主)は、使用者責任を負います。

 

【参考】民法715条1項

ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

 

4【妥当でない】

「負う」が×。

「負わない」にすると○。

注文者は、原則として、使用者責任を負いません。(例外もあります)

 

【参考】民法716条

注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。

 

5【妥当でない】

「負うことはない」が×。

「負うこともある」にすると○。

借家人(占有者)が、損害の発生を防止するのに必要な注意をした場合は、所有者が損害を賠償する責任を負います。

 

【参考】民法717条1項

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

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