平成20年度(行政書士試験 過去問の解説)

問題28 民法・無権代理 正解「3」

1【妥当でない】

「後であっても~できる」が×。

「後は~できない」にすると○。

追認と取消しは、どちらかをしたら、もう片方はできなくなるので、本人(A)が追認したら、もう取り消せません。

 

【参考】民法115条

代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

 

2【妥当でない】

「はできるが~はできない」が×。

「も~もできない」にすると○。

無権代理人(B)が未成年者(制限行為能力者)の場合、相手方(C)は、履行の請求・損害賠償の請求のどちらもできません。

 

【参考】民法117条2項3号 ※令和2年の改正条文

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

 

3【妥当】(最判平10.7.17)

選択肢の通り。

本人(A)が追認を拒絶した場合、その後でAが死亡して無権代理人(B)が相続しても、無権代理行為は有効にならない、という判例があります。

Aが追認を拒絶した時点で、無権代理行為は消滅しているので、Bが相続しても、消滅した無権代理行為が復活して有効にはならない、というイメージです。

 

4【妥当でない】(最判平5.1.21)

「共同相続人の有無にかかわらず」が×。

「共同相続人がいない場合」にすると〇。

共同相続人(他の相続人)がいる場合、契約を有効にするには、共同相続人全員の追認が必要、という判例があるので、共同相続人がいれば、有効にならない場合もあります。

共同相続人がいない場合は、当然に(必ず)有効になります。

 

5【妥当でない】

「推定される」が×。

「みなされる」にすると○。

「みなされる」なので、後で実はAが追認していたことがわかっても、追認を拒絶したという結果は覆りません。

 

【参考】民法114条

前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

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