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最判平7.7.7

道路の騒音被害と国家賠償責任

<判事事項>(争点)

国道の周辺住民が、道路の自動車騒音で受けた被害が、生活する上で我慢する限度を超えるとして、道路の設置や監理に瑕疵があるとされた事例。

【参考】判事事項(原文)
 二 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害が社会生活上受忍すべき限度を超えるとして右道路の設置又は管理に瑕疵があるとされた事例

<裁判要旨>(結論)

国道の周辺住民が、道路の騒音で睡眠妨害、会話や電話等の妨害、精神的苦痛といった被害を受けている場合、その道路は流通には役立っているが、住民が生活する上で不可欠とはいえない幹線道路で、周辺住民がその道路からある程度の利益(メリット)を受けているとしても、利益と被害の関係が、被害が増えると利益も増えるという関係になっていなければ、騒音被害は生活する上で我慢すべき限度を超えているので、道路の設置や管理には瑕疵がある。

【参考】裁判要旨(原文)
 二 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により睡眠妨害、会話、電話による通話、家族の団らん、テレビ・ラジオの聴取等に対する妨害及びこれらの悪循環による精神的苦痛等の被害を受けている場合において、右道路は産業物資流通のための地域間交通に相当の寄与をしているが、右道路が地域住民の日常生活の維持存続に不可欠とまではいうことのできないいわゆる幹線道路であって、周辺住民が右道路の存在によってある程度の利益を受けているとしても、その利益とこれによって被る被害との間に、後者の増大に必然的に前者の増大が伴うというような彼此相補の関係はないなど判示の事情の存するときは、右被害は社会生活上受忍すべき限度を超え、右道路の設置又は管理には瑕疵があるというべきである。

<判決理由>(理由)

騒音が周辺住民に与える影響を考えて、最初から対策をするべきだったのに、対策をしないまま道路が作られて、その後で実施された対策は、費用はかかったけれど、十分な効果はなかった。そうすると、被上告人(周辺住民)が受けた騒音被害は、生活する上で我慢できるものではなく、道路の使用は周辺住民の法律上の利益を違法に侵害しているので、上告人(道路管理者)は、被上告人に対して損害賠償責任(国家賠償責任)を負うべきだから。

【参考】判決理由(原文) 
 騒音等が周辺住民に及ぼす影響を考慮して当初からこれについての対策を実施すべきであったのに、右対策が講じられないまま住民の生活領域を貫通する本件道路が開設され、その後に実施された環境対策は、巨費を投じたものであったが、なお十分な効果を上げているとまではいえないというのである。そうすると、本件道路の公共性ないし公益上の必要性のゆえに、被上告人らが受けた被害が社会生活上受忍すべき範囲内のものであるということはできず、本件道路の供用が違法な法益侵害に当たり、上告人らは被上告人らに対して損害賠償義務を負うべきであるとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。

<+α1>

道路の自動車騒音で受けた被害を回避する可能性があったことが、道路の設置・管理に瑕疵があると認めるための積極的要件(効力を発生させるための要件)にはならない。

【参考】+α1(原文) 
 回避可能性があったことが本件道路の設置又は管理に瑕疵を認めるための積極的要件になるものではないと解すべきである。

<+α2>

営造物の供用(例:道路の使用)が、第三者との関係で、違法な権利侵害・法益侵害となって、営造物の設置・管理者が賠償義務を負うかどうかを判断するには、侵害行為(例:騒音)の状態や侵害の程度、侵害された利益の性質と内容、侵害行為の持つ公共性・公益上の必要性の内容と程度などを比較検討するほかに、侵害行為の開始とその後の継続の経過・状況、被害の防止策の有無・内容・効果などを総合的に考察して決めるべき。

【参考】+α2(原文) 
 営造物の供用が第三者に対する関係において違法な権利侵害ないし法益侵害となり、営造物の設置・管理者において賠償義務を負うかどうかを判断するに当たっては、侵害行為の態様と侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、侵害行為の持つ公共性ないし公益上の必要性の内容と程度等を比較検討するほか、侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間に採られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容、効果等の事情をも考慮し、これらを総合的に考察してこれを決すべきものである

<過去問の出題履歴>

令和5年度、問題20、選択肢4

令和4年度、問題21、選択肢ア・イ

平成30年度、問題25、選択肢1

平成22年度、問題20、選択肢1

<裁判所ホームページ>(外部リンク)

「最判平7.7.7」の裁判例情報

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